ジャパンカップはアジアにおける最大レースの1つであり、ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアといった、世界の第一線で活躍する選手たちの本気の勝負を間近で見ることが出来る日本で唯一の大会でもあります。現在ワンデイ・レースとしてはアジアで唯一、最上位カテゴリーのオークラス(Hors Class = 超級)のレースとなっており、UCI(国際自転車競技連合)からはアジアにおける自転車競技発展の牽引役として認められています。

photo:Kei Tsuji
当大会は1990年に宇都宮市で開催された世界選手権自転車競技大会のメモリアルレースとして、1992年に創設されました。それから四半世紀以上の歳月を経て開催する2019年の第28回大会は、2015年より採用された1周10.3kmのコースを14周する総距離144.2kmで行われます。

標高差185m、つづら折りの古賀志林道を14回登るコースは、難易度が高く見応えがあり、観戦者にとっても選手達の走りを何度も間近に見ることが出来ます。

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この大会にはこれまでに数々のスター選手が参戦しています。ツール・ド・フランスでステージ優勝した選手や山岳王、ジロ・デ・イタリアの総合優勝者、ワールドカップシリーズ総合優勝者、世界チャンピオンと言った錚々たるメンバーがジャパンカップを彩ってきました。

また、ジャパンカップに参戦した後、そうした世界の頂点と言えるレースで栄冠を手にした選手達も少なくありません。近年の代表的な例としては、2010年ジャパンカップ覇者のダニエル・マーティンがその一人と言えます。彼は後にブエルタ・ア・エスパーニャやツール・ド・フランスでのステージ優勝をはじめ、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ、イル・ロンバルディアと言ったクラシックレースも制しています。直近のリザルトを見ても、昨年2位に入った若きアントワン・トールクが今年のツール・ド・スイスの山岳ステージでプロ初優勝、これからの躍進に期待を抱かせる走りを見せています。

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ジャパンカップがこうしたスター選手達の参加を得られるのは、高低差が多く難しいコースの評判と、世界的な競技運営レベルの質の高さに加え、ヨーロッパでのシーズンの終わり、アジアでのシーズンの開幕といった時期的な好条件に恵まれているおかげです。1996年の第5回大会はワールドカップシリーズの最終戦にもなり、世界中から注目されました。

日本全国から多くのロードレースファンが集まることでも有名なジャパンカップ。宇都宮市の市街地やコース周辺は、何日も前から観客が訪れ、にぎわいを見せます。レース当日は、年に一度のお祭り騒ぎを楽しむファンの歓声や応援の笛の音が山中にこだまします。特に大勢のファンが集まる古賀志林道の山頂付近は、選手が通過するたびに興奮に包まれます。

2018年大会は雨の一昨年とは打って変わって快晴。沿道に大勢の観客が応援に駆けつけました。太陽の光が降り注ぐ中、レースは残り4周回で形成された16名の先頭集団が周回を重ねながら徐々に絞り込まれると、最後の直線にやってきたのはロブ・パワーとアントワン・トールク。この一騎打ちを制したのはロブ・パワー。2016年ジャパンカップで3位に終わった雪辱を見事果たしました。

photo: Yuichiro Hosoda