オープン女子は梶原悠未がエリートとの混合レースで優勝 ジュニア世界選ロード4位 の実力を見せる

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ジャパンカップ2日目の午前中はオープンレースがロードコースで開催されました。注目のオープン女子を制したのはジュニアの梶原悠未(筑波大付属坂戸高校)。思い描いていたとおりの展開に持ち込み金子広美(イナーメ信濃山形)を下しました。



45名がエントリーしたオープンレース女子45名がエントリーしたオープンレース女子 photo:Hideaki.Takagi
ウェット路面の中、オープン女子がスタートするウェット路面の中、オープン女子がスタートする photo:Makoto.AYANOスタートから積極な梶原悠未(筑波大学付属坂戸高)スタートから積極な梶原悠未(筑波大学付属坂戸高) photo:Makoto.AYANO

2週目に入るころには15名に絞られた集団2週目に入るころには15名に絞られた集団 photo:Hideaki.Takagiオープン女子 フィニッシュに飛び込む梶原悠美(筑波大付属坂戸高)オープン女子 フィニッシュに飛び込む梶原悠美(筑波大付属坂戸高) photo:Makoto.AYANO

女子のジュニアとエリートがクラス分けなく混走する全国大会ロードレースは、都道府県対抗ロードとこのジャパンカップオープンレースだけ。ジュニア選手にとっては力試しとなる大会だ。ただしジュニアギアを使うため下りや追い風区間などは不利にもなる。レースは1周10.3kmを3周する30.9kmで男子と時差スタートで行なわれた。天候は朝方からの雨がやみ、次第に青空が広がってくるが下り区間はまだウェットの状態となっていた。

45名がエントリーした女子は高校生が梶原と細谷夢菜(浦和工業高校)。2人とも高校生トップ選手で、高校3年の梶原は9月の世界選ロードジュニア女子で日本人選手歴代最高の4位を獲得。タイム種目でも記録を塗り替え続けるその力強い走りから、エリート選手との対決が注目されていた。また高校2年の細谷は高校短距離界では無敵に近い存在で、加えて持久力もあり、集団ゴール時のスプリントもまた期待された。

レースは1周目こそ15名ほどの集団となったが2周目の古賀志林道で金子がペースアップするとばらけて、下りを経て5人にまで絞られる。メンバーは梶原、金子、上野みなみ(鹿屋体育大学)、坂口聖香(パナソニックレディース)、合田祐美子(BHアスティーフォ)。この5人では登坂力で金子が抜きん出て合田が続き、スプリント力は上野と坂口に分がある。そして両方とも備えるのが梶原だがエリートとのレースでの直接対決は、昨年大会のみといわば未知数。

最終周回の3周目、古賀志林道の上りでペースを上げると頂上を金子単独でクリア、梶原が続きほか3人はやや離れる。下りを経て梶原が金子に追いつき2人でフィニッシュへ向け協調して走る。後方からは上野が単独で2人を追走し次第に上野から前の2人が見える位置にまで差を詰める。先行2人のままラスト200mで梶原がアタックすると一気に金子との差が開きそのままフィニッシュラインを越える。上野は追いつきかけたが金子の後方でフィニッシュし3位に。

オープン女子 梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校)が伸びるオープン女子 梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校)が伸びる photo:Hideaki.Takagi


勝利の喜びをガッツポーズで見せる梶原悠美(筑波大付属坂戸高)勝利の喜びをガッツポーズで見せる梶原悠美(筑波大付属坂戸高) photo:Makoto.AYANOオープン女子は梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校)が制したオープン女子は梶原悠未(筑波大学附属坂戸高校)が制した photo:Satoru.Kato

「強化合宿の時からイメージしていた展開に持ち込めた」梶原悠未(筑波大付属坂戸高校)

「エリートと一緒に走るのはこれが2回目で、1回目は去年この大会で自分は15位と惨敗し悔しい気持ちでいました。来年からエリートで走るのでこのレースはエリートへの挑戦、リベンジという気持ちで走りました。上りでは合宿で一緒に走らせていただいて金子選手が凄く強かったのでついていけるように我慢の走り、平坦では前をしっかりと引っ張れるように走りました」

「1周目も2周目も上り終えたら金子選手と2人になる状況だったので、金子選手から「3周目は一緒に逃げよう」と話し、最後は2人で回してゴール手前まで来ました。上野選手は3周目の上りでも残っていたので追いついてくるだろうと2人で回していました。合宿でのスプリントでは勝てていたので最後は自信ありました。でも世界ではまだだまなのでこれからエリートに上がって早く通用するようになりたいです。来年1月のアジア選手権は出場できるならばエリートになるので、そこでUCIポイントを取っていきたいです」

梶原など上位選手を含むジュニア男女とエリート女子を集めたJCFのロード強化合宿がこの15日(木)まで行なわれ、選手たちはお互いの脚質や強さをわかった上でレースに参加していた。柿木孝之JCF強化コーチも「登坂では金子が、スプリントになれば梶原が強さを見せていた。ジュニアの梶原は止まることなく進化を続けている」と梶原を評する。1月からはエリートで走る梶原の今後に期待がかかる。



結果
オープン女子 30.9km

1位 梶原悠未(筑波大付属坂戸高校) 57分16秒
2位 金子広美(イナーメ信濃山形) +02秒
3位 上野みなみ(鹿屋体育大学) +03秒
4位 坂口聖香(パナソニックレディース) +46秒
5位 合田祐美子(BHアスティーフォ)
6位 西加南子(LUMINARIA) +2分04秒
7位 齋藤望(日本体育大学)+2分36秒
8位 細谷夢菜(浦和工業高校) +2分46秒
9位 谷伊央里(日本体育大学)+2分47秒
10位 佐藤咲子(Project-K) +2分50秒

photo&text:Hideaki.Takagi、Satoru.Kato
photo:Makoto.AYANO