ジョナタン・ミラン(リドル・トレック/イタリア)

ツール・ド・フランスでポイント賞獲得
現在のプロトンナンバーワンのスプリンター
クリテリウム5連覇中のリドル・トレックが今年送り込んできたのは、現在のプロトンではナンバーワンのスーパースプリンター。今年のツール・ド・フランスでステージ2勝し、ポイント賞「マイヨ・ヴェール」を獲得した“本物”のスプリントを宇都宮で披露する。フィニッシュ前200mから見せる重戦車のごときスプリントは、一度スピードに乗れば誰にも止めることができない。もちろん優勝候補最右翼で、リドル・トレックトレインがレース中は主導権を握るはずだ。
マイケル・マシューズ(チーム・ジェイコ・アルウラー/オーストラリア)

プロ15年で43勝のトップスプリンター
クリテリウム、ロードレースともに上位進出の可能性大
15年のプロキャリアで43勝を挙げる、まさに世界のトップライダー。スプリントからワンデークラシックまで幅広くこなす姿に、“上れるスプリンター”の代表格ともされる。今季はシーズン前半こそ好調だったが、夏場にかけてコンディション不良で戦線離脱。それでも秋には復調し、主要レースでの上位入りを果たしている。休んでいた時期があった分、宇都宮では力を爆発させられるか。まずはその走りをクリテリウムから拝見といこう。
キャスパー・マティアシュ・コペツキー(チーム ノボ ノルディスク/チェコ)

好リザルト連発の22歳
トップスプリンターへの足掛かりは宇都宮で
宇都宮ジャパンカップ常連チームが送り込む、若きエーススプリンター。シーズンを通して好リザルトを連発しており、トップシーンでも一目置かれる存在となりつつある。ハイスピードバトルとなるクリテリウムは世界に名を挙げる大きなチャンス。宇都宮をプロ初勝利の記念すべき場としたい。すでに、強化を進める他チームへの移籍が決まっており、現チームで走るのは宇都宮ジャパンカップが最後になる見込み。今のうちに、彼の名と走りを覚えておこう。
岡篤志(宇都宮ブリッツェン/日本)

ホームチーム・宇都宮ブリッツェンが誇る大エース
抜群の勝負勘とポジショニングでクリテリウム上位を目指す
スプリントから上りまでこなすオールラウンダー。クリテリウムでは抜群の勝負勘とポジショニングで確実に上位を収める。今季は国内シリーズ「Jクリテリウムツアー」で1勝を挙げており、日本人ライダーでは屈指のクリテリウム巧者としてワールドクラスの選手たちを迎え撃つ。そして何より、開催地が誇るチーム・宇都宮ブリッツェンの名実ともに大エース。ロードレースも含め、2日間を通して沿道からの「アツシ」コールが響き渡る。
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クリテリウム:コースプレビュー
世界が駆ける宇都宮
本物のスピードが躍動する市街地クリテリウム
宇都宮ジャパンカップの目玉のひとつとして、存在感を大きくしているのがクリテリウムである。それはプレイベントとしてではなく、出場選手・チームにとっては大事なレースに数えられるほどにまでなっている。
このクリテリウムが初めて開催されたのが2010年。以来、新型コロナ禍による中断がありながらもレース実施を続け、今年14回目を迎えることができたのも、北関東の中心都市である栃木県宇都宮市で行われることによる盛り上がりと経済効果が、大会として、そしてクリテリウムの価値を高めた結果といえよう。

県庁所在地の大通りを封鎖してレースを行うのは日本においては希少で、全国各地の自治体から多くの視察団がやってくるほど。近年広がりを見せる、日本国内のクリテリウムシーンは、宇都宮から始まったとの声さえも聞かれる。
そんな、日本が世界に誇るクリテリウムコースは、2016年から採用されている1周2.25kmの市街地サーキット。レース開催時は2周回のパレードを行ったのち、15周回・33.75kmでレースが展開される。やはり中心となるのは充実した戦力を有するUCIワールドチームとなるが、そこへ割って入るのが日本チーム。ときに日本人ライダーたちがレースの主導権を握るケースもあり、その様相は「世界vs.日本」の構図に。


レース距離が短いこともあり、プロトンは時速50kmを超えようかという猛スピードで駆けていく。セオリー的にはスプリントで勝負が決することが多く、各チームがそこまでにどのようにして戦術を組み立てるかも見もの。「トレイン」と呼ばれる、一列棒状の隊列を編成し、アシスト陣がエースを守りながら走る様はハイスピードレースの魅力のひとつに挙がる。
宇都宮ジャパンカップクリテリウムでは現在、リドル・トレックが中断期間をはさんで5連勝中。6連覇なるかに注目が集まる。それを阻止する選手・チームが現れるか。その戦いは世界的にも注目が集まる。
このレース自体は、メインのロードレースとは異なりUCIポイント付与の対象とはならないが、UCI(国際自転車競技連合)が公認するクリテリウムレースに位置付けられている。トップライダーが見せる“本物”のスピードをぜひ間近で体感してほしい。
