本日行われた記者会見で開幕まで1ヶ月に迫ったジャパンカップの出場メンバーが発表されました。ジョナタン・ミラン(イタリア、リドル・トレック)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム・ジェイコ・アルウラー)、留目夕陽(EFエデュケーション・イージーポスト)、新城幸也(ソリューションテック・ヴィーニファンティーニ)ら、国内外のトップ選手が宇都宮に集結します。



開幕まで1ヶ月まで迫った9月17日(水)、東京都渋谷区の「SUBARU STAR SQUARE」で宇都宮を沸かせる宇都宮ジャパンカップサイクルロードレースの記者発表が開催され、出場メンバーが発表されました。
既に発表があった通り、今年のUCIワールドチームは合計6チーム。ニールソン・パウレス(アメリカ)の小集団スプリントで昨年大会を制したEFエデュケーション・イージーポストを筆頭に、バーレーン・ヴィクトリアスやリドル・トレック、コフィディス、アンテルマルシェ・ワンティ、チーム・ジェイコ・アルウラーが参戦します。


セカンドディヴィジョンに当たるUCIプロチームは、イスラエル・プレミアテックとソリューションテック・ヴィーニファンティーニ、チーム ノボ ノルディスク、そしてTUDORプロサイクリングチームの4チームが参戦。ポギチーム・グスト・リュブリャナは唯一の海外UCIコンチネンタルチームです。さらにツアー・オブ・ジャパンを制したTEAM UKYOを筆頭に、愛三工業レーシングチーム、キナンレーシングチーム、シマノレーシング、宇都宮ブリッツェン、VC FUKUOKA(初出場)、ヴィクトワール広島、そして日本ナショナルチームが海外勢を迎え撃ちます。

一般ファンが詰めかけた記者発表会は、MCアリーさんの司会進行と、佐藤栄一宇都宮市長の挨拶で開幕。ゲストとして栗村修さん(ツアー・オブ・ジャパン組織委員会委員長)が登壇し、お馴染みの軽妙なトークで出場チームと注目選手の紹介を進めました。
ミランやマシューズが参戦。日曜日の本戦は予想不可能?


なお現在、リドル・トレックは宇都宮ジャパンカップクリテリウムを5連覇中。ミランは東京五輪のチームパシュートで金メダルを獲得した日本でチームの連勝記録を6に伸ばせるでしょうか? ロードでは2029年までの長期契約を結んだマティアス・ヴァチェク(チェコ)がエース候補です。
リドル・トレックと並ぶチーム戦力を誇るのがオーストラリアのチーム・ジェイコ・アルウラー。なんといっても注目は、土曜日のスプリントも、古賀志林道の登坂にも十分対応できるマイケル・マシューズ(オーストラリア)。今季は体調不良でツール・ド・フランスを走れず、復帰戦のブルターニュ・クラシックとGPケベックで連続トップ10入りと士気は高い。スイスのロード/TT王者であるマウロ・シュミット(スイス)や、クーン・ボーマン(オランダ)など、サバイバルな展開で活躍できるクライマーがその脇を固めます。

連覇がかかるEFエデュケーション・イージーポストは、日本人唯一のワールドツアー選手である留目夕陽を2年連続参戦させます。登坂力のあるアレックス・ボーダン(フランス)は光る走りを見せられるでしょうか。目指すのはチームとして7度目のジャパンカップ優勝です。
2023年にルイ・コスタが制しているアンテルマルシェ・ワンティはGPモンレアル6位のルイ・バレ(フランス)が主軸。育成チームに所属する今村駿介はリザーブ登録となっています。


バーレーン・ヴィクトリアスのエースは、クラシックハンターのマテイ・モホリッチ(スロベニア)です。昨年大会3位に入った下りの名手を支えるのは、アルフレッド・ブロックウェル・ライト(イギリス)や、ブエルタ・ア・エスパーニャでマイヨロホを着たトースタイン・トレーエン(ノルウェー)。トレーエンは日本のクォーター選手という縁も持っています。
連続参戦するコフィディスはベテランのヨン・イサギレ・インサウスティ(スペイン)が主軸。かつてツールでステージ2勝を挙げたベテランクライマーは秋口のモンレアルでも上位フィニッシュするなど好調です。イスラエル・プレミアテックは年明けで引退する予定のサイモン・クラーク(オーストラリア)や、ドイツツアーを総合3位で終えたライリー・シーアン(アメリカ)、初参戦のTUDORプロサイクリングチームはマルコ・ブレンナー(ドイツ)らを擁して宇都宮ジャパンカップに挑みます。


ワールドツアー勢に割って入りそうな注目チームが、新城幸也率いるソリューションテック・ヴィーニファンティーニ。似たコース設定の「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」で勝利したロレンツォ・クアルトゥッチ(イタリア)やベテランのヴァレリオ・コンティといった強力メンバーを据えます。新城幸也の采配にも注目です。



チーム力で突出しているのはリドル・トレックとチーム・ジェイコ・アルウラーの2チームで、あらゆる状況下でメンバーを展開に乗せてくるでしょう。そして今年はUCIワールドチーム残留争いの年であり、2026年シーズンからのワールドツアーライセンスを懸けたサバイバルレースが白熱している真っ只中。18チームが残留できる最新のランキングで、当落線上の18位アンテルマルシェと19位コフィディスはどちらも宇都宮ジャパンカップに出場します。勝利だけではなく、複数名をポイント圏内に送り込もうとする、複雑なチーム戦略も絡み合うでしょう。
また、ツアー・オブ・ジャパンの総合優勝の勢いを維持してイタリアレースを連戦したTEAM UKYOや、地元宇都宮ブリッツェンも良い走りを見せたいところ。ジャパンナショナルチームからは日本人最高成績となる総合10位に入った金子宗平(群馬グリフィン)が出場します。







「Astemo宇都宮ブリッツェン」が登壇。餃子モチーフのジャージでジャパンカップを走る
記者発表会の後半にはホストチームの宇都宮ブリッツェンが登場。既に発表があった通り新スポンサーを迎え、ジャパンカップから「Astemo宇都宮ブリッツェン」を名乗るチームからは廣瀬佳正GM、鈴木真理監督、谷順成キャプテン、岡篤志選手が登壇。宇都宮名物の餃子をモチーフにした「スパイダーマンっぽくていいな(谷選手談)」ジャパンカップ専用のジャージを披露しました。




text:So Isobe