土曜朝に宇都宮森林公園で開催される毎年恒例のフリーラン。プロ選手とファンたちが一緒に交流しながらロードレースコースを1周走る交流イベントだ。自転車に乗ることができるファンならこれに参加するだけで憧れの選手と肩を並べて走るという夢のような時間を過ごせる。







土曜日の第1プログラム、朝9時から始まるのがオープニング・フリーランだ。プロ選手たちは時差ボケもある状態だが、早起きして古賀志林道へと集まってくれる。
じつは昨年はほとんどの選手が集合時間に遅刻、先にスタートした参加者たちを遅れてスタートしたプロ選手たちが追い上げるというハプニングがあったが、今年は多くの選手が定刻前に集まってくれた。




このイベントの趣旨は海外プロ選手と日本のファンの交流。スタート地点に到着した選手たちのもとには次々と参加者(ファン)が近づき、サインやツーショットをリクエスト。写真の求めに応じ、サインをこなし、次々と写真に収まってくれる選手たち。
日本人は謙虚だから遠慮がちなファンが多いが、選手たちはフレンドリーな笑顔でサービスしてくれる。もちろん自分のチームのジャージを着ているファンにはVIP的な手厚さで応えてくれる。カメラを向けるとファンの肩に手を掛けるマイケル・マシューズ(チーム・ジェイコ・アルウラー)の心遣いがニクイ。



ジャイアント・ジャパンは今回のジャパンカップで「TEAM JAYCO ALULA RIDE & MEET」と称して参加者を募り、チーム・ジェイコ・アルウラーと一緒にフリーランを走った後、そのまま人気観光スポットである大谷資料館まで選手たちと一緒にサイクリングしてカフェでお茶する企画を実施して盛り上がっていた。
フリーランには毎年参加する常連さんも。村井孝司さんはその一人で、リドル・トレックのチームジャージ上下にヘルメットやシューズまでチーム仕様で揃えて、選手たちが乗るのと同じトレックMADONEに乗る。毎年恒例の装いで参加していて、選手ともすっかり顔なじみになり、今では「今年はジャパンカップに来るのか?」「じゃぁ、また会えるね」などとメッセージをやりとりする仲だとか。


おまけに行きつけの京都のサイクルショップには縁あってジュリアン・ベルナールが昨年乗ったMADONEが鎮座しているとか。ちなみにそのバイクもジャパンカップ特別仕様で、今回のチーム企画(選手全員がそれぞれ色違いのバイクに乗る)のハシリとなったピカピカのオールメッキ仕上げだ。
選手と参加者たちは急坂の古賀志林道のつづら折れを走る。なかには女性の背中を押してくれる選手もいて、遅い人ほど楽しめる面もある。ただし先頭の選手たちのペースは速いので、着いていくのはかなり脚力が要るし、選手の強さを体感することができる。


今年はアンテルマルシェ・ワンティのジャージを着て、背中に目立つように「PUSH ME」と大書きしたラベルを貼り付けて走ったファンの女性が目を引いた。その効果もあっていろんな選手に押してもらってフィニッシュにたどり着いた。
そしてフィニッシュ後はアンテルマルシェ・ワンティの選手たちにサインを貰っていたら、選手たちと一緒に整列、しかも中央に並んでチームリーダーになったかのような写真を撮ってもらう幸運に恵まれた。こんな写真は一生の記念になることでしょう!
text & photo : Makoto AYANO
photo : Kei Tsuji, Yuichiro Hosoda